【将来コーヒーが飲めなくなる?】コーヒー2050年問題を知っているか。その対策は?-ぶりの生きるブログ

【将来コーヒーが飲めなくなる?】コーヒー2050年問題を知っているか。その対策は?

2022年9月17日土曜日

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今回は筆者にとって死活問題の話。

筆者は20代にブラックコーヒーに魅せられ、今や仕事中に無くてはならない存在になっています。

コーヒーの需要は近年、世界的で増加傾向にあります。中国やインドなどの新興国が急成長を遂げ、生活水準が向上したことからコーヒーの消費量が拡大しているためです。また、日本ではコーヒーチェーン店やコンビニコーヒーの人気から、消費量が増大しています。

しかし、そんなコーヒーが将来簡単に飲めなくなってしまう未来がそう遠くない将来やってくる可能性があるのです。

それがコーヒー2050年問題です。


コーヒー2050年問題を知っているか。

コーヒー2050年問題

コーヒー2050年問題とは

コーヒー2050年問題とは、国際調査機関のWCR(ワールドコーヒーリサーチ)が提唱する、世界で消費されるコーヒーの約7割を占めるアラビカ種の栽培に適した土地が、気候変動の影響によって2050年には半減するという予測のことを言います。

「コーヒーベルト」という言葉をご存じでしょうか。赤道を挟んで北緯25度~南緯25度の地域を指し、この一帯はコーヒーを生産するには適した気候と言われており、世界に流通するほとんどのコーヒーがその一帯で生産されております。

コーヒーベルト地帯

飲用を目的としかつ世界で流通しているコーヒー豆は大きく分けてアラビカ種、カネフォラ種の2種類です。そのうちの全体の約70%を占める「アラビカ種」は標高1000m程度の山岳地帯の昼と夜の気温差が大きい場所で栽培されることが多いです。また、病気にかかりやすいこともあって栽培は難しいとされています。

しかし、近年の地球温暖化による気候変動により、これまでの収穫に大きな変化をもたらしているのです。

さらに詳しいことを知りたい場合は、↓の論文をご覧ください。(※英語です)

climate Change(2015)(世界で生産されるアラビカ種コーヒーとロブスタ種コーヒーの気候変動動向)


温暖化がコーヒーに与える影響

温暖化がコーヒーに与える影響として挙げられる点は3つあります。

1つは、降雨量の減少です。コーヒー栽培に必要な雨季と乾季の境目がなくなり、全体的な雨量も少なくなると考えられています。

2つ目は、寒暖差が減少してしまうため、アラビカ種の収穫量減少が懸念されることです。寒暖差のある標高450〜2,300メートルの栽培条件が適していると言われています。気温が上がると、良質なコーヒーを作るため、生産者は今よりさらに標高の高い場所に栽培地を移動することを強いられます。しかし、急斜面で働く労働者への負荷が高まり、収穫量が減ることが予想されます。

3つ目は「さび病」です。気温や湿度上昇で発生するこの病気もコーヒーにとって最も深刻なもので、収穫量の減少や、品質低下を招きます。

さび病は、Puccinia(プクシニア)属の「糸状菌(しじょうきん)」が原因で発症する病気です。

春や秋の降雨や風通しが悪い環境が続くと、葉や茎などの上にさび病の胞子がはん点状に出現します。さび病が進行すると葉の表や茎にも広がり、ゆがみやねじれが生じて枯れることもあります。さび病が発症しやすい果樹類は、ブドウやナシ、ビワ、イチジク、コーヒーなどです。

出典:For your LIFE powerded by フマキラー

「栽培に適した土地ではなくなる」とは、具体的には気温上昇や降雨量の変化による収量の減少やコーヒーの品質の低下を、最終的には現在コーヒー栽培に携わっている人たちの収入の減少を意味します。

そうなると結果的に、温暖化によって、このようなことが起こるわけです。


◎ 温暖化はコーヒーの栽培地を減らすため、結果的にコーヒーの収穫量が減少してしまう。

⇒ そのため、コーヒー栽培で生計を立てている農家が貧困状態に陥る確率が高まる。

⇒ コーヒー栽培そのものが難しくなる。

⇒ 生計が立てにくくなり栽培に手間がかかるとなると、コーヒー栽培を辞める農家が増える。

⇒ 生産者も減少してしまうため、コーヒーはさらに不足してしまう。

⇒ コーヒーの生産量が減り続けると、やがて消費量が生産量を上回る。

⇒ そのため、コーヒーの価格は現在よりも上昇する恐れがある


温暖化により、将来コーヒーを飲むことが当たり前でなくなる時代が来るのかもしれません

また、グローバル企業の契約農園でしかコーヒーは生産できなくなってしまい、現在私たちが楽しんでいるような多種多様なコーヒーは店頭から消え去ってしまう可能性があるのです。

これはいちコーヒー好きとしては大問題です。

生産国ではすでにその影響が表面化しつつあります。コロンビアの一部地域では、雨期と乾期の極端化による収量の減少が報告され、ホンジュラスやエルサルバドル、グアテマラ、ニカラグアではコーヒー栽培では家計を支えられないことから、アメリカへの密入国を図るケースも増加。つまり2050年を待たずとも、コーヒー生産の現場ではすでに変化が起き始めているとのことです。


対策はあるの?

持続可能なコーヒー栽培を目指す研究機関であるWorld Coffee Research(WCR)は、IMLVTと呼ばれる計画を進めています。IMLVTとは、International Multi-Location Variety Trial(国際品種栽培試験)の略称です。世界各国で病気に強く、気候変動に対応できる丈夫な品種の開発研究を行っています。地球温暖化に影響されないコーヒー作りに今後期待ですね。

また、コーヒー豆のかすは、現在ほとんどが産業廃棄物として処理されております。その廃棄されるコーヒー豆のかすをバイオ燃料に生まれ変わらせ、その燃料でコーヒーを焙煎すれば無駄が少なくなります。温暖化の大きな原因となっているCO2の排出量削減にもつながるため、このような循環型の対策はこれからさらに注目されていくと思われます。


自分達でできる対策は無いか?

ありきたりな話になりますが、世間でよく言われる地球温暖化対策(=CO2の排出量を減らす)を行動に移すことが大事です。

CO2の排出量を減らすのが効果的と言われています。環境対策は、個々が意識することが何より重要です。

具体的には、こういったことが挙げられますね。

ごみを減らす

電力を無駄使いしない

石油資源を消費しない

緑化活動への協力


まとめ:編集後記

いかがだったでしょうか。

コーヒー好きな筆者も最近まで知らなかった言葉なので、こんな状況になっているとは露知らず。

コーヒーに限らずですが、地球温暖化はあらゆる社会で影響を及ぼしています。

世界各国ではあらゆる温暖化対策を打ち出していますが、日本はその中でも先進的であるとは言い難いのが現状です。

最後に頼れるのは自分自身です。将来のため、今からできることを1つ1つやっていきたいとこの記事を書きながら感じた次第です。

少し説教じみた話になってしまいましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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